世界三大ファンタジー小説を語りたい
目次
まえおき
鬼滅の刃、人気がすごいことになっていますね。
どこへ行ってもコラボを見かけるし、主題歌が流れている。
映画もすごく好調で、16日間で1000万人突破だそうで。
単純計算で10人に1人は観ていることになる。 雑な計算だけれども、 私の職場内でも分かっているだけで5人見ているのだから、 あながち的外れな数字でもないのかもしれない。
もちろん私も見ている。原作が好きなので。
日本映画の歴代興行収入も塗り替える勢いだ。
現在の順位は下記の通り。
1位 千と千尋の神隠し 308億円
2位 君の名は。 250.3億円
3位 ハウルの動く城 196億円
4位 もののけ姫 193億円
5位 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 173.5億円
6位 崖の上のポニョ 155億円
出典:Wikipedia
一方で、 ランキングを見ていると長く愛されている作品が多いことに気付かされますね(というか、ジブリがすごすぎる)
いずれにせよ、鬼滅の快進撃でコロナで低迷した創作界隈に活気が戻ってほしいものです。。。
前置きが長くなってしまったが、 長く愛される作品といえば世界三大ファンタジー小説を知っている だろうか?
一度は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
一応、どの作品も映像化されているので、 映画で見たという方も多いと思います。
本日はこの3作品を紹介していきたいと思います。
指輪物語
こちらはロードオブザリングの名前で知っている人も多いのではないでしょうか?
基本情報
著者:J・R・R・トールキン(イギリス)
初版:1954-1955年(日本訳は1972-1975年)
巻数:全3巻(6部構成)、日本訳は10巻
映画:2001-2003年(全3部)
あらすじ
物語は、作者であるトールキンが、太古の昔ホビットにより書かれた架空の書物「西境の赤表紙本」の写本を翻訳したものである、という体裁をとっている。
人間、ホビット、エルフドワーフ、オーク、トロールなどが住む架空の世界である中つ国」を舞台として、
主人公のホビット族であるフロドを含む9人の旅の仲間が、冥王サウロンを完全に滅ぼすため、全てを統べる「指輪」を破壊するための冒険と友情が描かれる。
全六部構成ではあるが、3巻構成が有名であり、各巻の副題は下記のとおりである。
第1部:旅の仲間
第2部:二つの塔
第3部:王の帰還
個人的なポイント
今から読むのであれば、映画を見るか、なるべく翻訳が新しいものを読むのがおすすめ。(古いものは翻訳が硬くて読みにくいかも)
長編大河小説好きにはたまらない作品だと思います。世界観も練り上げられていて、一度ハマれば抜け出せないでしょう。
映像化にも恵まれていて、三部作の合計興行収入は合計29億ドルで、歴代の映画シリーズの興行収入でも高いものとなっている。批評的にも成功していて、アカデミー賞では30回ノミネートされ、17回受賞した。
作品に対する愛と敬意をもった映像化の最も成功した例といえるかなと思います。
ナルニア国物語
基本情報
著者:C・S・ルイス(イギリス)
初版:1950-1956年(日本訳は1966年-)
巻数:全7巻、日本訳も7巻
映画:2005年-(2020年現在は3作まで作成)
あらすじ
創造主のライオン「アスラン」により開闢された架空の世界ナルニアを舞台に、20世紀のイギリスの少年少女が異世界と往復しながら、与えられた使命を果たす冒険を描いている。
全7巻構成であり、各巻の副題は下記の通り。
第1巻:ライオンと魔女
第2巻:カスピアン王子のつのぶえ
第3巻:朝びらき丸 東の海へ
第4巻:銀のいす
第5巻:馬と少年
第6巻:魔術師のおい
第7巻:さいごの戦い
個人的なポイント
岩波文庫版のポーリン・べインズの挿絵が秀逸。
特に「さいごの戦い」に登場する「タシ」の不気味さは一見の価値があります。
作者がキリスト教徒であることもあり、若干宗教色が強め。
子供へのキリスト教の布教を目的として、キリスト教の専門用語を使わずにキリスト教的世界観を描いた、という話もありますが、そんな要素を抜きにしても素晴らしい作品だと個人的には思います。
読みにくい、という話もたまに聞きますが、こちらは宗教色由来のものではなく、気候や食べ物のなどの描写が日本人にあまり馴染みのないものであるからだと個人的には思っています。
映像化にはあまり恵まれておらず、第2部まではディズニー作製となっていたものの、第3部からは会社が変わっていたり、第4部に至っては一度企画が白紙になっている。
1作目の映画を見た個人的な感想としては、映像は綺麗で演出も派手でしたが、少し駆け足というか、描写が少し粗いような印象を受けました。
ゲド戦記
心を何にたとえよう~♪
基本情報
著者:アーシュラ・K・ル・グウィン(アメリカ)
初版:1968-2001年(日本訳は1976-2004年)
巻数:全6巻、日本訳も6巻
映画:2006年
あらすじ
作者がアースシーの世界をのぞいてみる、という形で物語がはじまる。アースシーの世界では森羅万象に神聖文字で表記される「真(まこと)の名前」が存在し、それを知る者はそれを従わせることができる。例えば火や風にも真の名前が存在し、それを知ることで魔法で操ることができる。人々は己の真の名をみだりに知られぬように、通り名のみを名乗る。
ゲドが主人公であるのは第1巻のみであるが、それ以降も主要な登場人物として登場する。
ゲドの成長とアースシーを取り巻く環境・世界の変化が描かれている。
全5巻構成であり、加えて外伝も1巻存在する。
第1巻:影との戦い
第2巻:こわれた腕環
第3巻:さいはての島へ
第4巻:帰還 -ゲド戦記最後の書-
第5巻:アースシーの風
外伝 :ゲド戦記外伝
個人的なポイント
個人的には上記3作の中で一番好きな作品です。
世界観がよく練られていて、例えば魔法に対する考え方も面白くて、「真の名前」が分からないと使えない設定だったり、むやみに使うと世界の均衡を崩してしまうという設定も好きである。
また、ハードカバーに付属しているアースシーの世界地図も好きだし、竜の存在や設定も好きである。
一番のおすすめはやっぱり「影とのたたかい」ですね。
才能に恵まれた少年ゲドが、ライバルとの対抗心から禁術を行使した結果、自分の「影」に脅かされる、という話。
魔法の設定からオチまで素晴らしいし、主人公のゲドにもかなり感情移入できた記憶があります。
外伝も捨てがたくて、その中の一節「地の骨」もかなり印象的で、15年たった今でもぼんやりあらすじが浮かびます。作者の死生観がよく表れているのではないでしょうか?
また、作者は児童文学だけでなく、本格SF小説も多く手掛けており、中でも「闇の左手」は深く練られた世界観や細やかな描写が大変魅力的である。ゲド戦記が好きな方はこちらもぜひ読んでみることをお勧めしたい。
一方で、映画の出来は。。。。。
どうしてこうなった!!!!
おまけ
近年では「ハリーポッター」が新世界三大ファンタジー小説にとして登場したりしなかったりするそうです。
個人的にはリアルタイムで追っていた人間なので思い入れも強く、是非お勧めしたい作品である。
ハリーポッター
アバダ ケダブラ!!!!(物理)
基本情報
著者:J・K・ローリング(イギリス)
初版:1997-2007年(日本訳は1999-2008年)
巻数:全7巻、日本訳も7巻
映画:2001-2011年
あらすじ
1990年代のイギリスを舞台に、魔法使いの少年ハリー・ポッターの学校生活や、ハリーの両親を殺害した張本人でもある強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁と戦いを描いた物語。1巻で1年が経過する。
全7巻構成であり、各巻の副題は下記の通り。
第1巻:ハリー・ポッターと賢者の石
第2巻:ハリー・ポッターと秘密の部屋
第4巻:ハリー・ポッターと炎のゴブレット
第5巻:ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
第6巻:ハリー・ポッターと謎のプリンス
第7巻:ハリー・ポッターと死の秘宝
個人的なポイント
新刊が出るたびに1巻から読み直していたのが懐かしい。家族で取り合いながら読んでいたあの当時の熱狂は今でも印象深い。
親戚に本を貸し出すなんて経験は、後にも先にもこのシリーズだけである。
杖や呪文、箒や魔法生物など魅力的な設定が詰まっていたし、主人公だけでなくて周りの生徒や先生、大人たちにも魅力的な人(や生き物)が多く登場するのも素敵である。
いつか、キングスクロス駅の9と3/4番線に行ってみたいものである。
映像化にも恵まれており、興行収入は合計で77億ドルにのぼるとされる。
視覚効果や音楽も素晴らしく、どれも一見の価値はあると思います。また、派生作品であるファンタスティックビーストもよい映画だと思います。こちらは魔法生物を愛でる作品ですね。次作が楽しみでたまらない。
終わりに
良質な原作から投げやりな映像作品が粗製乱造され消費されていくなかで、今回の鬼滅の刃は非常に良い映画化であると言えるのかなと思います。
原作に対する愛と敬意のこもった作品がこれからも増え続けることを切に願います。